茅野産ワイン醸造 ワイナリー初の仕込み

茅野市内のワイナリーでワインの仕込み作業に取り組む関係者
茅野市内でワイン用のブドウを生産し、市内初のワイナリーを同市中大塩に整備したオレイユ・ド・シャの小出徹代表(55)が今月中旬に果実酒製造免許を取得し、ワインの仕込みを行った。24日は赤ワイン用でブドウ約180キロを処理した。市内で栽培、収穫したブドウを使い、市内で造ったワインは来年6月ごろ、完成する見通し。
小規模ワイナリーが開業しやすくなる内閣府の構造改革特別区域計画「ワイン特区」が3月に従来の原村から茅野市、富士見町を含む八ケ岳西麓の3市町村に拡大されたことを受け、小出代表は6月に施設を借りて醸造に必要な設備を整え始めた。9月中旬からのブドウの収穫とともに免許取得に向けた準備を進めた。
免許取得後初のワインの仕込みは18日に開始。24日もブドウの粒と粒がついている軸「果梗」を分ける手動の機械を使って粒と果汁だけをタンクに集めた。生産者仲間や取引先のレストランのソムリエらが協力して作業を行っていた。一定の温度に保ち、10日ほどかけて発酵させた後、熟成させる。
小出代表によると、今季は天候に恵まれ、ブドウ栽培にとって有利な気候だったといい、搾りたての果汁を味わった小出代表は「味が濃く、糖度も高い」と笑みを浮かべた。東急ハーヴェストクラブ蓼科のレストランでソムリエを務める井上富雄さん(38)は「ふくよかでボリューム感があるワインができそう。すべて茅野市内で造られたワインは、蓼科の風土を好んで訪れるお客さまに対する訴求性が高い」と期待を寄せた。
小出代表は「茅野市でワインを造りたいという夢が多くの皆さんのおかげで、ブドウを仕込む段階まで来た。感謝の気持ちを込め、今後もいいワインができるように努力していきたい」と話していた。