信大農学部落葉松祭再興へ 28、29日一般公開

かつてのにぎわいを再びと、PRする実行委員会のメンバー
信州大学農学部の学園祭「第67回落葉松(からまつ)祭」は28、29の2日間、南箕輪村のキャンパスを4年ぶりに一般公開して開く。コロナ禍前から衰退気味だった学祭をかつてのにぎわいに取り戻そうと、実行委員会の学生らが一念発起。復活目指してのろしを上げ、「再興~今年から、まつり始めます」をテーマに「過去最大規模」と胸を張る内容を企画した。多彩な模擬店やステージ、研究展示などで、学生、教職員が地域と一体となってつながる催しにしようと、意気込んでいる。
近年、実行委のメンバーも乏しく、昨年も学内だけのステージ発表にとどまった落葉松祭。卒業生らからは復活を望む声が上がり、今回教職員も実行委の人選に協力した。
近畿大から編入で今年、信大農学部に加わった植物資源科学コース3年の奥野祐基さん(21)は、早く新しいキャンパスになじみたいと考え、前委員長から6月に勧誘されて実行委員長に就任。近大時代に学祭の運営に携わった経験を生かし、一つ一つ課題を克服した。
途中から生命機能科学コース3年の飯田直人副実行委員長(21)らが加わり、3年生主体に約30人が実行委に参加。それでも落葉松祭の運営を知るメンバーはいない上に、残る資料も以前のチラシなど断片的なものだけ。卒業生の教職員から伝え聞く昔の記憶をつなぎ合わせながら、今の時代にあった学祭にしようと構想を膨らませた。
模擬店は研究室やサークルに加え、卒業生や地域の店舗も協力。留学生による海外の料理や学生が実習などで栽培した農産物販売などもあり、軽食を中心に16店が出店する。
特設のステージでは、ケルト音楽やジャズ、軽音楽などのサークルが出演。地元の太鼓グループや市民吹奏楽団なども参加して盛り上げる。
展示では各研究室が成果を披露するほか、演劇サークルの公演や環境活動家ユーチューバーの露木しいなさんによるトークラウンジも行う。
「今年が未来につながる新たなスタート」と強調する奥野さんと飯田さん。「落葉松祭の魅力は何といっても地域の皆さんとの距離が近いこと。農学部のことを多くの人に知ってもらいながら次世代に受け渡したい」と話した。
落葉松祭は両日とも午前9時開場で、28日は午後9時まで、29日は同7時まで。