産学公で実践力高める 諏理大が演習

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企業トップらとともに現場で抱える課題について意見を交わす学生たち

公立諏訪東京理科大学(茅野市)は、市内に事業所を置く企業・団体との産学公連携で学生の実践力を高める必須科目の演習を行っている。今年度は従来の授業内容を見直し、企業や団体により深く関与してもらうプログラムに改めた。現場で実際に抱える課題に対し、多様な意見を持つ学生たちが学科の枠を越え、9人ほどの少人数グループ内で議論を重ねる能動的な学びに取り組んでいる。

工学と経営学の融合教育を特色の一つにしている同大の象徴的な授業で2年生が対象。約320人が受講している。製造業2社、宿泊業1社、自治体・病院1団体が大学の要請を受けて協力することになった。25日の講義では経営者らが大学を訪れ、自社の経営課題を提示した。

このうち、工作機械や産業用ロボットのプリント基板や制御装置などを製造するファナックパートロニクス(同市玉川)は澤田毅社長が会社概要や製品、サービスを紹介した上で▽顧客が製品を使い続ける限り保守を継続する「生涯保守」の維持▽人的ミスの防止▽カーボンニュートラルの実現▽労災対策▽知名度向上-の五つの課題を示した。

学生たちは少人数のグループに分かれ、澤田社長や社員と意見を交わしながらグループで取り組む課題の設定について話し合った。「生涯保守」サービスに対する顧客ニーズや知名度を高めたいエリア、範囲などについて会社側に質問していた。

授業後、小島颯真さん(20)は「企業のトップや責任者の方と直接話ができ、実際にある課題への解決策を提案できる点に面白さを感じる」と意欲を示した。澤田社長は「私たちでは思いつかないような斬新なアイデアを期待したい」と語った。

担当教員の代表で同大共通・マネジメント教育センターの田原慎介講師=経営学=は「地元の企業、団体の力を借りながら、問題発見力、解決力、コミュニケーション能力の向上に向けた精度の高い学びを学生たちに提供していきたい」と話していた。

学生たちは課題解決策について、11月22日に中間発表、来年1月10日に最終発表を行う。

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