西天竜発電所が竣工式 伊那市小沢

西天竜発電所の大規模改修事業完了をテープカットやくす玉で祝う関係者ら
県企業局は27日、大規模改修事業が完了した西天竜発電所(伊那市小沢)の竣工式を同発電所で開いた。西天竜幹線水路を利用して年間約1800万キロワット時(約5000世帯分)を発電。敷地内には広場や交流センターを設け、災害時も対応できる地域に開かれた空間として整備した。来賓、行政や工事の関係者ら約50人が発電所の門出を祝った。
同発電所は1961年に運転を開始した。岡谷市川岸の天竜川から取水して水路末端部の落差を利用して発電。老朽化や再生可能エネルギー推進のため2018年に大規模改修工事を着工した。
発電設備は少ない水でも発電可能な小型水車発電機2機とし、かんがい期も発電ができる。大規模停電時には自立運転による電源供給ができ、敷地内の電力を賄うことが可能。電気自動車やスマートフォンの充電にも対応できる。
広場は芝生や複合遊具、あずまやを設置。交流センターは住民の集まりや災害時の避難場所になる。広場の名称は地元小学生から募り、「西天でんでん広場」と命名。命名者の児童は「子どもたちや大人もたくさん来て、にぎやかな広場になってほしい」と話していた。
県企業局の吉沢正県公営企業管理者は「活用を通して電気を身近に感じて企業局の電源開発に理解を深めてもらい、取り組みが広がってほしい」と話していた。
同発電所の完成見学会は29日午前10時から開かれる。順次6回を予定。事前申し込み不要。参加無料。春日公園第2駐車場から無料マイクロバスを運行する。