インフル拡大、警報レベル 上伊那地域

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おやつを前にしっかりと手洗いする園児たち=1日午後、宮田村東保育園

上伊那地域でインフルエンザの流行が急拡大している。県が1日発表した感染症情報によると、10月29日までの1週間に地域内8カ所の医療機関から報告された患者は245人。1医療機関当たりの患者数は前週の1.47倍となる30.63人に増え、警報レベル(30人)を超えた。警報レベル入りは新型コロナ感染拡大後初めて。感染対策でこの間、インフルエンザにも罹患(りかん)せず免疫が弱まった子どもの感染や、学級・学年閉鎖も急増。県は「インフルエンザに特化し、さらに増えていく可能性が高い」と警戒を促す。

患者数を地域別に見ると、上田、北信に続いて3番目に多い。上伊那では10月下旬に注意報レベルの「10人」を突破。県伊那保健福祉事務所によると、以前の流行は12月頃からの増加が多く、今シーズンは「時期的に相当早い。ワクチンも間に合っていないのでは」。

この1週間の患者のうち20歳未満が8割超を占め、以前の流行期と比べ児童生徒の割合が高い。小中学校や高校の学級・学年閉鎖は先週から増え「数は今年最も多い状況」で、休校もあるという。

ここ数年は感染対策で手洗いやマスク着用が徹底された。だが、コロナの「5類移行」で対策が緩まって日常生活が元に戻り、インフルエンザの流行要因に。多くの人がインフルエンザに感染しなかったために免疫力が下がり、感染しやすくなったとされる。特に子どもは集団生活で広がりやすい。

上伊那の現状のコロナ感染者数はほぼ横ばいで推移しているため、今後はインフルエンザに特化して増加が見込まれるという。同事務所健康づくり支援課の担当者は、県全体の同患者数23.03人の今後の上昇を踏まえ、「来週にも警報が出る可能性がある」と見通す。

感染対策は、基本的には新型コロナと変わらないといい、同課は「手洗いが最も重要でせっけんを泡立てて30秒間、2回やると効果的」と強調。さらに、熱や喉の痛みといった症状が出たら早めの受診、感染を広げないため解熱後3日間程度の自宅での休養、マスク着用も大切になるとし、警戒を強めるよう呼び掛けている。

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