ニュース回顧 ワカサギ大量死

LINEで送る
Pocket

大量死した諏訪湖のワカサギ。再発防止に向けた対策の実行を求める声も多い=7月27日

大量死した諏訪湖のワカサギ。再発防止に向けた対策の実行を求める声も多い=7月27日

「経験したことのない現象だ」。7月下旬、大量のワカサギが死んでいるのが見つかった諏訪湖。漁業関係者は異様な光景に困惑し、落胆の声を漏らした。

被害は死骸回収量だけで1トンを超えた。諏訪湖漁協は大量死前後の試し捕り結果を基に、生き残ったのは「2割程度」と推計。秋には採卵資源の確保に向け、今季のワカサギ漁は断念すると決めた。試し捕りはいまも続けるが、藤森貫治組合長は「状況に変わりはない」とする。

魚の生息には湖水1リットル当たり3ミリグラム以上の酸素量が必要とされるが、諏訪湖では夏場を中心に湖底付近でそれを下回る貧酸素状態が起きる。大量死直後の湖では、本来酸素量が豊富なはずの水面付近でも値が低下していたことが判明。広範囲が低酸素状態になり、漁協は流入河川などに避難できなかった魚が酸欠死したとみる。

県は大量死後、原因究明に向けてさまざまな角度から調査を行い、光合成により湖内に酸素供給する植物プランクトンが激減したことなどをつかんだ。ただ、大量死直前の湖の状況を把握できる観測データが乏しく、いまなお原因の特定には至っていない。

漁業資源のみならず貴重な観光資源でもある諏訪湖のワカサギ。「来年も同じことが起こりうる。そうなれば死活問題だ」。湖周8業者でつくる諏訪湖釣舟組合の中澤滋組合長はこう強調し、再発防止に向けた取り組みを求める。

県は来年度、溶存酸素量を連続測定する計器を沖合4カ所ほどに設置。プランクトン調査を拡充し、湖の監視態勢を強める方針だ。

藤森組合長は「大量死の原因は貧酸素であることは明らか」と主張。「調査も大事だが、今回の問題を教訓に一歩先へと進んでほしい」と貧酸素対策の実行を求める。県は「(湖の環境改善に関わる)専門家の意見も参考にし、諏訪湖に適した対策を検討したい」(水大気環境課)としている。

おすすめ情報

PAGE TOP