里山再生、ホタル乱舞 上農生ら荒廃農地整備

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ホタル復活を目指している荒廃農地を見学する組合員や上農生

箕輪町の三日町、福与の農家らでつくる「箕輪営農組合」が、荒れた農地を解消してホタルが飛び交う古里の再生を目指した取り組みを開始し、半年を迎える。ホタルの餌の飼育などに上伊那農業高コミュニティデザイン科里山コース2年や箕輪南小6年に協力してもらい、学校との連携を進めてきた。将来的に目指すのは、地域住民を巻き込んでの活動。人里と結び付き、ホタルが乱舞した昔の里山風景を取り戻したいと、意欲を見せている。

担い手不足などによる荒廃農地の解消を最重要課題に掲げる同組合。「ホタル復活」をキーワードに、荒廃農地に手を入れることを計画した。南箕輪村でホタル復活プロジェクトに取り組んでいる上農生に協力してもらうことに。子どもたちに自然や農地に慣れ親しんでもらえるようになればと、地元の箕輪南小にも声掛けしてプロジェクトを進める。

活動場所は福与判の木の荒廃農地。傾斜地にあり、かつては田んぼだったものの、長年手つかずの状態が続き、荒れ地になっていた。広さにして約20アール。昔はホタルが乱舞していたとされるが、現在は姿を見掛けることはないという。

同組合は、6月ごろから草刈りを行うなど、数回にわたって手を入れてきた。目指すのは、ゲンジボタルやヘイケボタルが生息する環境。ゲンジの幼虫の餌になる巻き貝・カワニナは、箕輪南小6年に育ててもらっている。ゲンジボタルは、上農高が人工繁殖に取り組んでいる。

2日は今後の方向性を打ち出すため、ホタルをはじめ生物の保全について研究してきた信州大学名誉教授の藤山静雄さん(75)=松本市=に視察してもらった。さまざまな生き物が生息する環境の整備が大切とのアドバイスを受けた。

上農高の生徒は「ホタルがすみやすい環境を整えられるように頑張りたい」。小森康司組合長(72)は「ホタル復活には一筋縄ではいかないだろうが、力を尽くして昔ながらの里山を再生したい」と意欲を見せる。

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