震災被災地で演奏会5年目 臼井、八幡さん決意新たに

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手回しオルゴールシンガーの臼井則孔さん(53)=下諏訪町=と朗読の八幡香さん(50)=諏訪市=が東日本大震災の復興を願うコンサートを東北の仮設住宅を中心に続けている。2012年に始まった活動は今年で5年目。震災から5年が経過してもなお、大勢の人が仮設住宅で暮らす現実を前に「訪問先の仮設住宅がなくなるまではその様子を見守り続けたい」と決意を新たにする。

訪問先は岩手県大船渡市や宮城県南三陸町など。被災地のために何かしたいと考えていた2人は12年7月、南三陸町の仮設商店街「南三陸さんさん商店街」を訪れた。その際、下諏訪町内のボランティアが贈ったオルゴールの音色に励まされているという被災者の声を聞き、小さなオルゴールを持参していた臼井さんが「ここで歌ってもいいですか」と申し出たのがきっかけ。心を込めた歌と演奏に涙を流しながら喜ぶ人の姿もあった。終了後、ある被災者から「私だけがつらいのではないから泣いてはいけないと我慢してきた。やっと泣けた」と感謝され、活動を続ける決意をした。

12年は毎月、13年は隔月で被災地を訪れ、1回に6~7カ所を回り、オルゴールと朗読による約1時間半のコンサートを行ってきた。回数は15年までに19回。宿泊費、交通費などは自己負担と諏訪地方で行うコンサートの収益金、賛同者からの寄付で賄ってきた。

支援員の言葉背中を後押し

だが、14年の訪問は3回にとどまる。経済的な課題に加え、「被災者にとっては、ありがた迷惑なのではないか」という不安を感じたからだという。そんな時、背中を押してくれたのが仮設住宅で暮らす人の支援員の言葉だった。「消えることがないであろう被災者の心の痛みを少しでも忘れさせてあげられる皆さんのコンサートの時間が大事」。

揺れていた気持ちが固まった。「このコンサート活動には、諏訪地方の人たちは東北の皆さんを忘れないというメッセージを伝え続ける意義がある」。

現在は「Next Earth(ネクスト・アース)」というユニット名で活動しており、今年は5月に両市町を訪れる予定だ。

今月7日夜、諏訪地方の住民有志から支援金を受け取った2人は「諏訪の人たちは東北の皆さんのことを決して忘れない。思いを寄せている仲間がいることを伝えてきたい」と約束した。

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