2023年11月4日付

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例年より遅く山や街の木々が色づき始めた。全国各地から紅葉の便りが届き、秋本番を迎えている。近年、紅葉の名所として知られるようになった箕輪町のもみじ湖も、紅葉が盛りを迎えている▼葉が黄色く色づく代表格はイチョウ。恐竜が生息していた時代より前の太古の時代から生きている化石植物だ。日本には鎌倉時代ごろに中国から伝来し、各地に広まったという。日本の山には自生していないが、古くから人の手によって植えられ、日本人に愛されてきた▼一方、赤く染まる代表格はモミジやカエデ。モミジは葉が6~7枚に、カエデは9~11枚に分かれている違いがあるのだそう。モミジは「もみいず」という動詞が変化し、最終的に「もみじ」となったといい、カエデは葉の形がカエルの手に似ていることから「かえるで」から「かえで」に変化したそうだ。根本的には同じ植物で英語では「メープル」とされ、区別しているのは日本だけ▼広葉樹の多くは赤と黄色に色づくが、赤くなる場合は「紅葉」、黄色くなるのは「黄葉(おうよう)」とするのが正しいそう。さまざまな物を細かく分類するのは日本らしいが、きれいであればあえて区別する必要は感じない▼訪日外国人にとって日本の紅葉は特別なのだという。赤や黄、緑が交ざり合う紅葉は世界的に珍しいそうで、わたしたちはこうした美しい環境に暮らしていることを誇りに思いたい。

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