心温まる物語 原田泰治美術館で大型紙芝居

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原田泰治さんの絵本の原画に囲まれ、大型紙芝居に見入る来場者

諏訪市原田泰治美術館は4日、昨年3月に81歳で亡くなった同市の画家、原田泰治さんの絵本を基にした大型紙芝居を同市渋崎の同館で上演した。開催中の開館25周年を記念した特別展に合わせて企画。県内外から約30人が集まり、ふるさとの豊かな景色や心温まる物語に見入った。

展示室での上演は初めて。絵本の原画に囲まれた会場で、同館ボランティアらが紙芝居をめくり、原田さんの実話「とうちゃんのトンネル」、森林鉄道を舞台にした「さだおばさん」など3作品を朗読した。

このうち、「やまのおみやげ」は、山の秋をモチーフに、田舎の祖母を訪ねる少年の物語を描く。澄み切った空気と青空、美しい紅葉とともに信州で育った原田さんが、豊かな自然を子どもたちに届けたいとの願いを込め、制作した作品。学芸員が「長女の誕生を記念して作った最初の絵本。文章に二つのバージョンがある」と解説した。

子どもを連れて帰省した主婦の岩波玲子さん(44)=東京都=は「親しみのある原田さんの作品をわが子にも見せたかった。田舎の良さが伝わる絵本で、温かな気持ちになった」。長男で小学6年の児童(11)は「優しい色が印象に残った」と話していた。

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