臨床美術、楽しさ感じて スワートが20年展

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展覧会に向けて拓本体験の準備をするメンバー

絵画や造形の自由な創作を通して心身を癒やし、元気にする「臨床美術」の普及を目指す有資格者のボランティアグループ「SUWART(スワート)」(藤本順子代表)が発足20年目を迎えた。節目を記念して、同グループの講座で学ぶ受講者の作品展を16~21日に諏訪市末広の岩谷画廊第2ギャラリーで開く。新型コロナ禍を経て久しぶりに開く展覧会で、画廊での本格展示は発会以来初めて。「子どもからお年寄りまで誰もが楽しめる臨床美術に触れてもらう機会になれば」と成功に向けて準備を進めている。

「臨床美術」は彫刻家の故金子健二氏=埼玉県=が医師らと共同開発した脳機能訓練にも有効な美術体験プログラム。「対象の物の見た目にとらわれず、手触りや匂い、味などを確かめ、その物の成り立ちを想像して五感でつかんだイメージを絵にする」「自身の喜怒哀楽を描く」「水に絵の具を落として偶然に生まれる色の妙を楽しむ」など300を超える体験メニューがある。

メンバーは、諏訪市が開いた臨床美術士養成講座に学んで2005年夏にグループを結成。現在は諏訪地方在住の50代~70代の6人が中心となり、相互研さんをしながら福祉施設や公民館、個々に主宰の教室などでアート体験を提供している。

藤本さんらは「臨床美術士は作品の中からその人らしさを見いだし、気づきのヒントを提供するガイド役」と話し、受講者からは「制作に楽しく没頭するうちに心も体も休まった」「元気が出た」と喜ばれているという。この20年間は「受講者の笑顔とその作品への感動が最高のご褒美。社会貢献できる喜びを味わってきた」と振り返る。

作品展は受講者約40人の近作250余点を展示する。18、19日には誰でも参加可能な「葉の拓本(フロッタージュ)体験」もある。メンバーたちは「心を解放し、生き生きとした作品を見て、自由な創作の楽しさを感じて」と来場を呼び掛け、活動をともにする仲間も求めている。

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