山浦民謡踊り映像化 後世伝承へ撮影開始

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郷土の伝統芸能を映像で残し伝えていこうと撮影を始めた山浦民謡踊り保存会=茅野市の長円寺

茅野市や富士見町、原村の八ケ岳山麓一帯(山浦地方)で歌い継がれた民謡を後世に伝承しようと、活動している山浦民謡踊り保存会(吉田明美代表)は、民謡踊りを映像で残す活動に取り組む。9日、初の撮影が紅葉の名所、同市穴山の長円寺で行われ、踊り手4人、三味線2人、歌い手1人が市無形文化財の「エーヨー節」「天屋節」の2曲を収録した。1年間かけて全12曲を収録する計画だ。

同会は、2013年に発足した保存連盟が前身。歌の掘り起こしをしたり、各地のイベントや盆踊りなどで教えたりしてきたが、コロナもあって足踏み状態だった。会員は同市を中心に61~85歳の8人。高齢化と会員減少という課題を抱え、映像化は急務だった。

エーヨー節は江戸時代から盆踊り唄として盛んに歌われ、踊られてきた伝統的な郷土芸能。初源は田植え唄にあるとされ、歌詞は七五調で、「ヨイソレ」の合いの手や、「エーヨー」のはやし言葉が入る。天屋節は昔の寒天製造で、原料の水に浸した天草を撞いて洗う「草撞き」作業の際に歌われた作業唄が元で、その後採譜され、踊りが付けられた。

撮影は、境内を借りて行われた。会員たちは地元の天屋から譲り受けた、屋号入りの黒い法被をまとい、生唄と演奏の心地よい響きに合わせながら踊っていた。紅葉はピークを過ぎたが訪れる人は絶えず、素朴な郷土芸能に見入り、拍手を送っていた。

12曲の中には、富士見町の「富士見小唄」、原村の「コチャかまやせの節」などもある。

同会は踊り手や歌い手、三味線演奏者など会員を募集している。吉田代表(61)=同市米沢=は「仲間を増やして山浦民謡踊りを盛り上げていきたい。初めての人でも教えるので興味のある人は声を掛けて」と話している。問い合わせは吉田代表(電話090・2732・0630)へ。

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