2023年11月11日付

LINEで送る
Pocket

蛇口をひねれば水が出て、そのまま飲むことができる。日本ではごく当たり前のことだが、世界全体でみれば珍しい。日本の水道水の安全性はトップクラスである▼国土交通省によると、水道水を直接飲める国は世界196カ国中、日本を含め10カ国ほど。飲めない理由はもともと水源がないことや不衛生な環境、インフラ未整備が挙げられる。途上国では水道設備が不十分で、水道そのものがない国も少なくない。多くの人たちが水不足にあえいでいる▼各家庭に継続して「安全でおいしい水」を供給する日本。ダムや河川の原水を浄水場で処理して給水する過程で、水質管理の厳しい基準が設けられている。水は「使えて当然」と言える環境。恵まれているとつくづく実感する▼被覆肥料や人工芝の破片など直径5ミリ以下の微細なごみを「マイクロプラスチック」と呼ぶ。近年、水生環境や人体への影響が世界中で指摘されている。川や海に流出した結果、食品や飲料水を通じて体内に取り込まれるという。ペットボトルの飲み物への混入も確認されている▼18日に岡谷市内で「川ごみサミットin諏訪湖」が開かれる。川や海の環境保全に取り組む全国の団体や市民、研究者が集まり「目に見えないごみ」の現状や対策について意見を交わす。世界に誇れる日本の水。安全な水であり続けるためには、やはり一人ひとりの水を汚さない意識が不可欠である。

おすすめ情報

PAGE TOP