障がい者の性と権利 諏訪で講演会

権利を尊重した性教育への理解を深めた講演会
諏訪地域障がい福祉自立支援協議会は11日、「障がいのある方の性と権利」と題した講演会を諏訪市小和田の市総合福祉センター湯小路いきいき元気館で開いた。思春期の子どもを持つ保護者や支援者、施設職員らが聴講。東洋大福祉社会開発研究センター客員研究員の門下祐子さんの話に、性的行動の受け止めや人権を尊重した関わり方のヒントを得た。
同協議会の地域生活支援部会と権利擁護委員会が企画し、障がい者の性と人権をテーマにする講演は「諏訪地方でおそらく初めて」(佐藤恵同部会長)。向き合い方に悩む保護者や支援者の声に応えた。近年、国内で障がい者への避妊去勢の要求や性暴力の被害などが明るみとなり、「誰もが人生を謳歌(おうか)するために性教育の重要性を感じている」ともする。
門下さんは、全国の知的障害特別支援学校への調査で「定期的に性教育を行っている学部は4割に満たず、7割が男女交際に制限を設けている」とし、「生殖について教えないまま、交際を制限されている傾向にある」と指摘。「これまでは性被害の予防やリスク管理などマイナス面からアプローチされてきたが、心身を満たす健康と権利に目を向けて」と提案した。
性教育の一案として、プライベート空間を設けて公私を分けるルールを教えたり、他者の体へ触れるのに同意が要ることや相手の意思を尊重することを皆で楽しみながら学んだりする方法をアドバイスし、「性にかかわらず、障がい者本人の意思決定や主体性を尊重しているか。日頃の関わり方を顧みて」と投げ掛けた。