冬の風物詩「天桂松」雪つり 下諏訪の慈雲寺

今年も雪つりが施され、冬の装いとなった慈雲寺の天桂松
下諏訪町東町中の慈雲寺(福田精裕住職)境内にある町天然記念物「天桂松」に、今年も雪つりが施された。同寺の冬の風物詩。降雪に備え、樹齢450年余りの古木が一足早く冬の装いとなった。
天桂松は、同寺第十七世の天桂玄長禅師が手植えした松として伝わり、樹種はアカマツ。樹高約6メートル、胸の高さの幹囲は約2・3メートル、樹冠は東西に最長17メートルにわたり広がる。同寺は天文6年(1537年)に火災で焼失したが、当時の住職だった天桂玄長禅師に深く帰依していた武田信玄の援助で再興された。
雪つりは雪が付着して枝が折れないように縄で枝を保持する技法。長年、京都市の造園会社「植音」が担当している。今年は今月8日から作業に入り、雪つりは11日に完成。芯棒の頂点から枝先へとおよそ100本の縄が3層に張られているという。同社の奥田英貴社長(52)は天桂松を「諏訪の財産」と絶賛し、「枝が折れないようにすることはもちろん、見栄えも美しく見えるように整えた」とこだわりを語った。
福田住職(56)は「今年も冬支度ができた。拝観の際は季節を感じてもらいたい」と話した。