商店続いて、思い展示に 久保田さん卒業制作

地元に根付く商店の存続を願い、住民から寄せられた応援メッセージを展示する文教大学4年の久保田さん=下諏訪町の「ミーミーセンタースメバ」
文教大学情報メディア表現学科(神奈川県茅ケ崎市)4年の久保田仁美さん(21)=上高井郡高山村出身=は16~18日、卒業制作の一環で、下諏訪町内の商店への感謝の一言を記したカードを並べた展示「商店街へ送る感謝と応援メッセージ」を同町の移住交流拠点「ミーミーセンタースメバ」で開く。全国的な課題となっている後継者不足問題に着目し、地域に根付く商店が末長く継続する力になりたい-との思いで企画。18日にはJR下諏訪駅構内の貸しスペース「チャレステしもすわ」でも展示する。午前11時~午後5時。
「お持ち帰りにおまけされててうれしかった」「帰省した子供たちにはかかせないメニューです」「子どもを連れて気軽に出かけられるパパとママの居場所を作ってくれてありがとう」-。そんな手書きのメッセージを並べる。小さな子が自分の似顔絵を描いた一枚も。各会場ではメッセージを書くこともできる。
テーマを決めたきっかけは、出身地の高山村で小さい頃から大好きだったおやき店が、後継者がいないとの理由で閉店したこと。「おやきといえばこの店のものしか食べないくらい好きだった。ショックだった」と振り返る。そんな経験から「一番身近な存在で、利用も多い地元の人からのメッセージをお店に届けることで、継続のモチベーションにしてほしい。後継者を探すエネルギーにもなれば」と企画の狙いを話す。
県内でイベントを行える場所を探す中で、町地域おこし協力隊や下諏訪商工会議所の協力を得られることになり、同町での企画が実現した。今月3日、町内で開かれたまち歩きイベント「ぶらりしもすわ三角八丁!」で初めて来場者にメッセージを募り、多くのメッセージが集まった。同日から週末に展示を開始し、11日現在、約70枚のメッセージが寄せられている。
久保田さんは「メッセージをまとめ、下諏訪のお店の方に読んでもらい、感想も聞きたい。それらをまとめ、後継者不足の問題にどういうアプローチができるのか、自分の考えをまとめたい」と話している。