霧ケ峰自然保護センター 入館者1万5000人超

15日で今季の営業を終える県霧ケ峰自然保護センター。入館者数は10月末時点で延べ1万5602人となり、前年度実績を上回った
県霧ケ峰自然保護センター(諏訪市)の今年度入館者数が10月末時点で延べ1万5602人となり、リニューアル元年だった前年度(1万4210人)を既に上回ったことが、指定管理者の諏訪観光協会のまとめ(速報値)で分かった。周辺宿泊施設でのPRや若年層を意識した展示などが奏功。新型コロナの5類移行によって学校などの団体利用が回復したことも要因の一つで、5月の霧ケ峰林野火災の影響もなかった。
同協会によると、春に新たなリーフレットを作成して霧ケ峰や諏訪湖周、蓼科・白樺湖周辺などの宿泊施設に配布し、同センターの認知度向上に努めた。交流サイトSNSを積極活用し、若い世代とファミリー層への情報発信力を強化。館内では「重ね押しスタンプ」を導入し、楽しみながら展示コーナーを回れる仕組みをつくった。
月別ではニッコウキスゲの開花期でもある7月が最多の約4740人、8月が約3900人だった。5月は約1550人。大型連休中の4日に林野火災が発生したが、霧ケ峰への来訪は増え、来館者からも「ニュースで見て、霧ケ峰が心配になって訪れた」との声が聞かれたという。数は多くないものの、海外からの旅行者も戻ってきた。
前年度は新装オープンの効果もあり、2015年度以降では最多となる入館者数を記録。同協会は「反動を心配した」とするが、新たな試みの成果が出た形だ。
同センターは15日で今季の業務を終え、16日から冬季休館に入る。来年度は4月15日に開館する予定。職員の有賀沙織さんは「幅広い世代に霧ケ峰とセンターの魅力を伝えたいと取り組んできた。もっと多くの人に利用していただけるような企画や工夫をしていきたい」と話している。