中高生と一緒に未来描く かみいな交流会

理想の地域の将来像などについて語り合う参加者
上伊那地方の住民たちが次世代育成や地域づくりについて考える「キャリア教育かみいな交流会」が15日、箕輪町文化センターであった。前身の催しを含むと今年で10年目。これまで設けていた大人たちによる意見交換の場に、今回初めて中学生が参加。「9歳~80代が一緒に未来を描く1日」をテーマに、幅広い世代が、自身の夢や持続可能な地域の将来像などについて語り合い、多彩な考えを共有する大切さを痛感した。
産学官連携でキャリア教育を推進する「郷土愛プロジェクト」が主催。有志による実行委員会を立ち上げて、大人のほか、地元の中高生らが運営に当たり、地域色を出した。
目玉のトークセッションでは、「20年後の古里」について考えてきた箕輪中2年生や箕輪進修高の生徒を中心に約450人が参加。6人ほどのグループをつくり、それぞれが思い描く未来について語り合った。20年後は縁側でお茶を飲む時間を大切にしたいと望んだ50代男性は「みんなが住み良い社会にするには、みんなが仲良くなるのが理想」とした。男子高校生は子育てしている自分の姿を想像し、「若者に寄り添い、子育て世帯が過ごしやすい地域」を願った。それぞれの意見は多種多彩だったものの、多世代が一堂に会して話し合う意義については共感し合った。
箕輪中2年の生徒は、20年後の町の姿を「豊かな自然を守りながらも、企業や店など働く場所が増えて都会っぽくなっていたら良い」と思い描き、「実現するには、いろいろな人の意見を聞くことが大切で、交流会のような機会が大事」と実感。信濃教育会の武田育夫会長は総評で、「キャリア教育の当事者は、皆さん全員。一人ひとりができることを実践していくことが、元気な伊那谷をつくることにつながる」と呼び掛けた。
ふるさと学習に取り組んできた箕輪西小4年の発表もあり、野菜作りを通して、栽培の難しさや喜びを知り、地域で受け継がれてきた知恵を学んだことなどを伝えた。