“旅立ち”に上伊那の木 伊那市など「棺おけ」開発

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伊那市や関係団体などが開発した、上伊那産材で製作した棺おけ=伊那市役所

伊那市や関係団体などが開発した、上伊那産材で製作した棺おけ=伊那市役所

伊那市などが地域産材の有効活用を目的に開発してきた棺おけが完成し、10日に市役所でカラマツ製とスギ製の2基がお披露目された。「次代へ繋ぐハッピーエンドプロジェクト」と銘打ち、地元産材とともに送り出されたいと願う人などに提案したい考え。流通環境などを整え、秋ごろの販売開始を目指す。

市は新生児に木のおもちゃをプレゼントする「ウッドスタート事業」をはじめ、地元産材の利活用を推進。このほど次世代に健全な森林や自然環境、農林業を引き継ぐための方策を示した「50年の森林ビジョン」を策定し、森林を生かした循環型産業構造の構築に取り組む姿勢を打ち出している。

棺おけは、国内で使われている多くが中国製という現状に、「地元産材への需要もあるのでは」と着目。上伊那木材協同組合や上伊那森林組合、ウッドフォーラム伊那、伊那葬祭組合、ワイン工房伊那とともに「地域材利活用研究会」(会長・都築透上伊那木材協同組合理事長)を昨年6月に立ち上げ、県の「信州の木活用モデル地域支援事業」の支援を受けて研究開発に取り組んできた。

今回完成した棺おけは、上伊那産のカラマツ、スギ、ヒノキを使い、ウッドフォーラム伊那に所属する唐木木工所の唐木眞澄さん(72)=同市西春近=が製作した。披露したカラマツ製、スギ製の2基はいずれも幅52センチ、長さ190センチ、高さ45センチの大きさ。課題としてきた重量は、強度を保ちながら板を薄くするなど軽量化を図り、カラマツ製が約20キロ、スギ製が約16キロと目標の20キロ以下に収めた。

価格は未定だが、生産工程の規格化などを進め「10万円前後に抑えたい」(市耕地林務課)としている。同研究会は棺おけのほか、ワインを仕込む際に使うおけやたるの開発も行っている。

白鳥孝市長は「職人の技が生きた立派な品ができた。棺おけはいずれ誰もが必要とするもの。安定供給できるようになれば、地域産材を活用した森林資源の循環が生まれる」と手応えを感じた様子。

展示された棺おけを見た女性(78)は「地域で共に過ごした木で送り出すという発想に、温かみを感じる。共感を得られるのでは」と話していた。

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