裂き織り使いタペストリー 原中生らWS

色とりどりの裂き織りの反物を使って、タペストリー作りに取り掛かる原中学校の3年生
原村は今年度、村に伝わる古布を裂いて横糸にする「裂き織り(ぼろ機織り)」を使ったタペストリーの制作に取り組んでいる。初の試みで、村が加盟する全国組織「日本で最も美しい村」連合のロゴマークを表現する。子どもを中心に住民参加型のワークショップを通じて制作する計画で、連合の認知度を高めながら「原村は美しい村」だと誇りを持ってもらう。今月から原中学校の3年生7人が制作を始めており、年度内に完成させて村の公共施設などに飾る。
連合は農山漁村の景観や環境・文化を守る活動をしており、村は2015年に加盟。村内での認知度はまだ低く、制作を通じて村の美しさを再認識し郷土愛を育んでもらおうと企画。さらに後継者不足が課題となる裂き織り文化の継承にも一役買いたい考えだ。県地域発元気づくり支援金を活用して行う。
タペストリーは約70センチ×約100センチで全部で7点作る。連合ロゴは川や木々、空、畑などをかたどった淡い色合いのイラストで、村内の40~100歳代の女性が手織りした色とりどりの裂き織りの反物を縫い付けて表現する。
実際にはロゴをそのまま再現するのではなく、制作に参加する原中生7人がそれぞれ「好きな原村の景色」を考えて、色合いのみ変えたデザインを採用。生徒たちは夕焼け空や黄金色に実った稲穂、輝く田んぼの水鏡などをイラストに反映していた。
7人は同校の総合的な学習の時間「原村学」の一環で、村の魅力を発信するPR講座の受講者。村地域おこし協力隊の内田将大(まさひろ)さん(33)を講師に9月から裂き織りについて学び、デザインを考えてきた。
今月から制作を始め、色とりどりの裂き織りの反物の中からデザインに合うものを選び、型取りを行っている。生徒の一人(15)は「原村の夕焼けがすごい好き」といい、オレンジがかった田んぼなどをデザイン。裂き織りを手にして「単色だと思っていたけどすごいカラフルできれい」と意欲を湧かせていた。内田さんは「中学生の感性は素晴らしい。原村が日本で最も美しい村だと感じてもらえたら」と話していた。
生徒たちはタペストリーの制作の過程を写真共有アプリ「インスタグラム」の同校アカウント「haramuragram」でも発信する。