2023年11月22日付

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日本では北海道に生息するサケ科の淡水魚イトウ。記録に残る体長は1937年、十勝川下流で捕獲された2.1メートルが最大で、近年は1メートル前後の個体が最大級と言われている。成長の遅さに加え、河川工事などの影響で個体数を減らし、釣りが好きな小説家の開高健は、その希少さからイトウを「幻の魚」と呼んだ▼以前、この魚に魅了された知人がいる。彼は幼い頃に釣りを始め、成人になると大物のサクラマスやアメマスを追って北海道へ通うようになり、やがてイトウに巡りあう▼彼は北の大地で4年間も釣果が上がらずに苦闘した。道具や釣り場、時間帯を徹底的に追究した5年目…、ついに体長101センチのイトウを釣り上げる。当時の様子を「周囲の釣り人の釣果を相当分析し、実践したのが奏功した」と振り返る。その後、釣果が安定するようになったともいう▼彼は時折釣りの心得を口走る。一例を挙げれば「釣り道具ではなく、魚の生態を吟味しろ」「他の釣り人の情報は参考にとどめ、自分の経験を頼りにする」「釣れると信じる」「最後にドラマは訪れる」▼彼は続ける。「釣りでは誰もが大物を夢見る。釣り上げた魚の数は、その釣り人の実力だ。だが大物を釣り上げることは”運やツキ”に左右される。チャンスは初心者、ベテランとも対等にある」。海では今後、ブリ釣りのシーズンが本格化する。経験を信じて運を呼び寄せたい。

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