2023年11月24日付

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北信から諏訪市に移住した夫婦の取材の折、諏訪を選んだ理由を尋ねると「空が高いから」と答えてくれた。長野市は空が低いのだと奥様は言った▼素敵な表現だった。その心を問うと、秋冬に晴天が続く諏訪の空の青さを挙げた。なるほど。空気が澄む晩秋の空は青さが引き立つ。蒸し暑く強い日差しの季節は過ぎ、今はぬくもりを求めて日の当たる場所を探している▼晴天率の高さから享受できるのは青く美しい空の色だけでない。太陽からの光と熱は安定的に降り注ぐ持続可能なエネルギー。太陽光発電と蓄電システムを設け、高い断熱性を確保したエコハウス「金山デッキ」を茅野市湖東に建てた元環境事務次官の小林光さんはこの地でエネルギー自給率260%以上を達成した。環境政策の第一人者が「これほど恵まれた地域はない」と評価する▼ロシアとウクライナの戦争に終わりは見えず、イスラエルとパレスチナ・ハマスの衝突も混迷を極めている。紅海では日本企業が運航する貨物船がイエメンの武装組織に拿捕された。政情不安は資源価格の高騰を招く。円安と相まって光熱費は高止まり。今冬も暖房費が家計に重くのしかかりそうだ▼暁の空に東の山から日が昇る。冷え切った野山と街と人の心を温める晩秋の朝日。太陽から届く資源に恵まれた諏訪地域は再生可能エネルギー活用の先進地として高い潜在力を有する。使わない手はない。

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