ニュース回顧 在来種ソバ試験栽培

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「風味がいい」「木の実のような香り」―。12月6日夜、伊那市長谷浦で試験栽培し、初めて収穫された在来種ソバの試食会。野性味あふれる味わいに、出席者からは称賛の声が次々上がった。

伊那市内のそば店などでつくる「信州そば発祥の地 伊那 そば振興会」が新たなブランド化を目指して取り組む在来種ソバの復活プロジェクト。県野菜花き試験場(塩尻市)で見つかった種を譲り受け、かつてソバの名産地として知られた「入野谷」(高遠の一部と長谷)の地名にちなみ、「入野谷在来(仮称)」として売り出す構想だ。

今年7月に約100グラムの種をまき、約18キロを収穫。プロジェクトに協力する信州大学農学部の井上直人教授は「1年目の増殖の目的は大成功」と評価した。在来種は現在普及している「信濃1号」より小粒とされることから、本来の大きさという4・2ミリ以下の実を選別し、来年用の種として約7キロを確保した。ほ場も今年より広げる計画だ。

試食会では種に適さない大粒の実を利用。“規格外”ながら同じほ場で収穫されたソバ。「捨てるのはもったいない」(同会)と関係者への感謝も込め、食べることにした。挽き方や打ち方、切り方を変えた数種類のそばを用意し、辛味大根や焼きみそを使った「辛つゆ」で食べる「高遠そば」で味わった。

みそや大根のほか、薬味のネギやトウガラシも地元産にこだわった。江戸時代、旧高遠藩主でそば好きとして知られた保科正之公も食べたかもしれない│というストーリー性も加味され、「究極のそば」(白鳥孝市長)との評も。「信州そば発祥の地」の新名物に期待が高まった。

「来年の種が採れるかどうかが心配だった。まさか食べることができるとは。夢が広がった」と飯島進会長。ほ場の確保や開墾作業、有害鳥獣対策、交配対策など課題は多いが、「夢」の実現に向け、力強い一歩を踏み出した。

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