2023年12月5日付

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先日、ある高校の校長室でその学校を卒業した男性と校長が雑談する場面に出くわした。男性は若いころの自身のやんちゃぶりをひと通り話し終えると、やがて上伊那地方で進む高校再編の話を始めた▼男性は作家深田久弥の選んだ日本百名山を全山踏破した経験を持つ山好き。中央、南の両アルプスに囲まれた地域にある高校の再編では「学校の特色を出すためにも登山の技術や山岳救助の方法を教える人材の育成をしたらどうか」と切り出した。話を静かに聞いていた校長は「カリキュラムに組み込んで教えることは可能でしょう」という趣旨の返答をしながら、独自色を出す他県の高校の事例を紹介した▼男性は登山や山岳救助の技術を習得することは、各地の山岳観光や、登山の安全を確保する救助隊などに携わる人材として、その後の就職活動にも有利だろうと判断する。登山の安全を啓発する活動に積極的な男性自身の思いもよく伝わった▼実際に登山や救助の知識を教えようとすれば相当の準備が必要だろう。実現するには、いくつもの難関が待ち受ける。だが飽食の時代の健康づくりを兼ねた今の登山はブームにとどまらず、今後ますます盛んになるはずで、新たな登山者への対応が欠かせない▼長野県観光部は現在「世界水準の山岳高原リゾート」を目指して各種の振興策に取り組む。とすれば、安全確保に携わる人材の育成が重要になる。

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