2023年12月8日付

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外出をほとんどしない状態が長期間続くことを指す、いわゆる「引きこもり」。意味は理解しているつもりだが、先日、取材で訪れた講演会で講師が定義や要因について丁寧に説明していた▼広義では「仕事や学校に行かず、家族以外の人との交流をほとんどせずに6カ月以上続けて自宅に閉じこもっている状態」。講師は「悪いことではないし、病気でもない」と繰り返した。病名ではなく現象で「悪いと考える必要はない」。ただ、「引きこもりによって病気になることはある」とも。心の病気である▼内閣府が公表した2022年度の「こども・若者の意識と生活に関する調査」では、引きこもりは全国で146万人と推計している。主な理由では「退職」「人間関係」「コロナ禍」が多く、40~69歳は「退職」が半数近くを占めた。定年退職に伴い生活環境ががらりと変わり、家に閉じこもってしまう人も一定数いるようだ▼以前は若者の問題と考えられていた引きこもりだが、今では年齢層が幅広く要因も多様化。病気ではないとはいえ、長期化すると統合失調症やうつ病といった精神疾患になり、解決も難しい。医療ケアも必要になる▼「安心して引きこもれる環境づくりが大切」と家族や周囲の理解、サポートの重要性を強調した講師は「引きこもりは、可能性を最大限に開花するためのモラトリアム」。生き方を模索するための”準備期間”と。

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