2023年12月9日付

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止まらない人口減少や激動する国際情勢の中で、これまで「当たり前だった」ことが当たり前ではなくなってきたと感じることが増えた。同時にこれまで当然に思えた事柄が実はそうではなく、さまざまな人の支え合いの上に成り立っていると気付くこともある▼当たり前ではなくなったことの一つに、地域の移動手段である路線バスの運行が挙げられる。路線バスを運行する民間事業者のうち、8割近くが今年中に路線を縮小・廃止すると調査会社が報告している。運転手不足を理由に挙げるケースがほとんどという。社会全体が人手不足を前提とした上でこれまでの形を持続可能な可能なものに変化させる知恵が求められる時代になった▼今年度の「税についての作文」で入賞した伊那市春富中学校の生徒の記事が印象的だった。税金で日々の学びが成り立っている一方で、貧困や紛争で教育を受けられない国や地域もあるとして「今ある環境に感謝して学習することが大切」と指摘した▼生活に欠かせない衣食住、ライフラインの維持―。あらゆる場面で積み重なっている「当たり前」の行為を改めて認識して感謝することが必要だろう▼パレスチナ自治区ガザ。イスラム組織ハマスとイスラエルの衝突は2カ月を経過し、市民生活は一変した。思うようにいかない世の中でも、せめて罪のない人々の平穏な暮らしは「当たり前」であってほしい。

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