絹文化、継承と発展を 岡谷でフォーラム

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きものジャーナリストの中谷比佐子さんが基調講演した「日本絹文化フォーラム2023」=9日、岡谷市カノラホール

伝統ある日本の絹文化の継承と未来への発信を目指す「日本絹文化フォーラム2023」が9日から、岡谷市内で2日間の日程で始まった。市や岡谷蚕糸博物館、NPOシルク文化協会などでつくる実行委員会が主催。初日は同市のカノラホールで専門家による基調講演や若手養蚕家の活動事例報告があり、県内外から約150人が参加。伝統的な絹文化の継承と発展を誓い合った。

今回のテーマは「きものという農業」。基調講演では、きものジャーナリストの中谷比佐子さんが、着物を通じて再発見した日本の文化や絹をはじめとする植物繊維と農業との関係性について話した。

日本各地の養蚕農家や染織を取材する中谷さんは着物の素材になる絹、木綿などの植物繊維と、人間の生活にとって重要な農業との関わりを紹介。「着物は農業なくしては考えられない」と主張した。また、養蚕についても「蚕は人間に命のすべてを差し出している。もっともっと多くの方に養蚕について知ってもらいたい」と思いを語った。

フォーラムは、生糸の一大生産地としての歴史を持つ岡谷市で2017年から開き、今年が5回目。開会あいさつで原田尹文実行委員長は「シルクは繊維の王者。これからもシルクを愛好し、かわいがってほしい」と呼び掛けた。

基調講演に続いてアシザワ養蚕(山梨県)、とよた衣の里プロジェクト(愛知県)の若手養蚕家が活動事例を発表。パネルディスカッションでは中谷さんがコーディネーターとなり、若手養蚕家と「きものの礎 養蚕業の未来を考える」と題して意見を交わした。

10日は午前9時から、岡谷蚕糸博物館や丸山タンク、旧山一林組製糸事務所(岡谷絹工房)、照光寺蚕霊供養塔などを巡る岡谷近代化産業遺産見学会を開く。

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