2023年12月14日付

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高校生の頃だったか。ぼんやりと見上げた夏の夜空に、大小の光の糸を引く流れ星をいくつも目にした。何分かに一度、あちらこちらに走る光にこんなにも頻繁に星が流れているのかと驚き、しばらくの間魅了された。あれは何かの流星群だったのだろうか▼流れ星はいわゆる星ではなく「流星物質」と呼ばれる宇宙のちり。地球に落下する際に大気圏に突入して発光するとされる。肉眼で確認できない暗いものや昼間も含むと、地球に1日に降り注ぐ流れ星は2兆個にも及ぶという▼指よりも小さなちりが放つというあの光。電気やガスといった人工的な光のない時代には特に、人々の興味を引き付けただろう。中国や日本では戦乱や天変地異、不吉の予兆と恐れられた一方、欧州では神が天界を開けた際に流れ落ちた天の光とされ、「願い事を3回唱える」由来となっているそうだ▼流れ星が光る時間は1秒以下とか。けちをつけるつもりはないが、願い事を唱えるのは至難の業。「カネカネカネ」でも難しそう。いずれにしても、こうした迷信や逸話は、人々の生活と深く結びついていたことが想像できる▼「三大流星群」のふたご座流星群が今夜から15日の明け方にかけて活発になるそうだ。月明かりの心配もない8年ぶりの好条件。いにしえの人たちはどんな思いで降り注ぐ星を見ていたのか。思いをはせて、今年最後の天体ショーを楽しんでみたい。

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