2023年12月19日付

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50代の半ばになり、80代の親の介護が始まった。先日、同い年の知人と友達が両親の介護を理由に仕事を辞めたという話を相次いで聞いた。寝たきりの父を2年前に亡くし、認知症の母がいる私にとっても人ごとではなく、それぞれ二人と共感し合い、励まし合った▼知人女性は元教員。両親が病気になり「二人同時の介護はとても無理。退職以外の選択肢がなかった」と振り返る。父親が先立ち、今は母親を見守る。介護中に自身の体力不足を感じ、「健康維持が大事。最近ダンスを始めたの」と笑った▼男友達も両親が脳梗塞や認知症になり、勤務先の金融機関を辞めた。始めは母親が父親をみていたが、母親には手に負えない状況が生じ、息子に連絡する回数が増えた。「仕事に影響が出始めた。こうなれば両親の面倒をみられるところまでみよう」と覚悟した▼知人も友達も職場ではベテランの域。知人はおおらかな指導で多くの児童たちから慕われ、友達は金融マンとして大口の融資を数多く成功させた。二人とも口調は穏やかだったが、相当に思い悩んだ末の退職だったに違いない▼自らの貯蓄を切り崩して介護に当たる友達は、将来を案じ、パートタイムで製造業の現場に立った。だが「素人はダメだね。不良品ばかり出して長続きしなかったよ」と苦笑した。在宅介護に携わる介護者が、再び仕事に就きやすい社会の環境が整うことを願う。

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