上諏訪駅前「アンの家」28日閉店

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28日に閉店する「アンの家」。トレードマークの顔出しパネルが立つ

ニットと手作り品を販売する諏訪市諏訪の「アンの家」が28日、閉店する。18年間にわたって商店街の活性化や国際支援に力を注ぎ、憩いの場を提供するなどして地域住民に親しまれてきた。店主の中川厚子さん(66)は「皆さんの支えがあってここまでこられた」と感謝。連日常連客らが詰め掛け、閉店を惜しんでいる。

2005年12月、JR上諏訪駅近くにオープン。店名は中川さんのイニシャルから付けた。入り口に好きな小説の主人公「赤毛のアン」をかたどった顔出しパネルが立ち、通行人の目を引いている。親族の介護のため、店じまいを決断したという中川さん。「断腸の思い。本当はもっと続けたかった」と明かした。

駅前の衰退を目の当たりにし、活性化を目指して次々とイベントを企画。店主を身近に感じてもらう「上諏訪駅前商店街ダジャレ選手権」、駅前での展示即売会、諏訪地方のクラフト愛好者が一堂に会する「諏訪6市町村手づくり市」などを行っている。

「平和」をテーマに続ける活動も多い。パレスチナの子どもや女性の支援に向け、認定NPO法人パレスチナ子どものキャンペーン(東京)に協力し、約10年前からパレスチナ刺しゅうを販売。「制作した女性たちの生存が確認できないと聞き、無事を祈るばかり」と心を痛め、「平和な日本だからこそ、命の尊さを考えなければ」と訴える。

パレスチナの子どもや女性の支援に向けて刺しゅう販売のPRをする中川厚子さん

11年には東日本大震災で被災した宮城県石巻市をボランティアとして訪問。養殖ホタテの復活に向けた活動が縁となり、三陸産ワカメや昆布の販売が続く。

地域の憩いの場として高齢者をはじめ、近くにある駅、バス停の利用者を迎え入れる同店。中川さん目当てに住民が立ち寄り、気軽にお茶やおしゃべりをする姿が目立つ。激しい雷雨となった13年の諏訪湖祭湖上花火大会では、着替えの場を提供しようと、急きょ店を開けた思い出もある。

コロナ禍が落ち着き始め、「街に人が戻りつつある。一定の成果が得られたかな」と振り返る。今後は諏訪市中洲の自宅で編み物教室を開くとともに、イベントの開催を続けていく。

閉店を前に、24、25の両日午前10時から、展示即売会と講演会を市駅前交流テラスすわっチャオで開く。東京大学名誉教授の板垣雄三さんが「パレスチナの状況と私たち」と題して講演。パレスチナ刺しゅう、干支(えと)の辰をモチーフにした編み物などがそろう。問い合わせは同店(電話0266・52・1076)へ。

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