2023年12月27日付

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昭和が始まったのは1926年の12月25日。元年は1週間しかなかった。あと1年と数日で、「昭和100年」を迎えることになる。降る雪や昭和は遠くなりにけり―。昭和生まれでもあり、中村草田男が残した俳句の時代を、置き換えたくなるような感慨を覚える▼明治時代に生まれた中村が「明治は遠く」と詠んだのは、昭和6年。20年ぶりに東京にある母校の小学校を訪れた際、金ボタンの外套を身に着けた子どもたちを目にして、着物に下駄姿だった自分の頃と比べて時の移ろいを感じたとされる▼昭和初期の公務員初任給は75円、市営アパート6畳2間の家賃20円、コーヒー10銭、天丼60銭、新聞購読料1カ月1円―。サラリーマンや職業婦人が登場し、都市化が進み、政治、経済、文化の中心が大衆へ移った。人生100年時代といわれるが、時の流れは社会をこうも変える▼国際連盟の常任理事国で、戦争により日本史上最も広い土地を支配した軍事大国だった。敗戦後は驚異的な復興を遂げ、世界的な経済大国にのし上がる。「失われた30年」ともいわれる平成以降と比べると、昭和はまさに激動の時代だった▼昭和は今の私たちにとってどんな時代だったのか。そもそも総括する意味があるのか。来年にかけて思いを巡らせてみたい。「昭和98年」も暮れていく。ちなみに、昭和が終わったのは1989年1月7日。最後の年も1週間だった。

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