諏訪湖一円 水中カメラロボで浅瀬の底質調査へ

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NPO法人しなとべの水中観察に参加した諏訪東京理科大の市川教授。県調査に協力する考えを示し、水中カメラロボットの改良を重ねている

NPO法人しなとべの水中観察に参加した諏訪東京理科大の市川教授。県調査に協力する考えを示し、水中カメラロボットの改良を重ねている

県諏訪建設事務所は、船上から操作する水中カメラロボットを用いて、諏訪湖のほぼ全域で浅瀬の湖底部の現況を調査する方針を固めた。約20年前に策定した諏訪湖の「水辺整備マスタープラン」を来年度にかけて見直すのに伴い、主に底質(ヘドロ、砂など)とその分布状況をつかみ、必要な施策の検討に役立てる。ロボット技術を専門とする諏訪東京理科大(茅野市)工学部の市川純章教授に依頼し、官・学連携で実施したい意向だ。

旧地質調査所が25年前に調べているが、県の広範囲調査は初めてだ。湖水の透明度が向上したのに加え、「水中ドローン」とも呼ばれる遠隔操作型機材の登場により、費用を掛けずに精度の高い調査が可能になったことも大きい│としている。

建設事務所によると、調査範囲は水深2・5メートルより浅い場所を想定。透明度が特に高い冬~春のうち、結氷や水草ヒシの繁茂期を避けて3月ごろに進める予定でいる。

市川教授(47)はこれまでに、諏訪湖の環境改善を目指すNPO法人しなとべ(山崎公久理事長)の定期水中観察に参加。取材に対し「県調査にも全面的に協力したい」と強い意欲を示した。湖底部にカメラを向けたロボットを船上から操作する計画で、より鮮明な映像がとらえられるよう改良を重ねている。環境改善の啓発ツール(道具)として今後、水中映像が活用されることも期待する。

底質で問題視されるのはヘドロで、湖底の貧酸素化を助長するとされており、底生生物や沈水植物の再生に向けても好ましくない。潜水して湖底を確認した専門家は「25年前より砂地が減ったことがうかがえる」との見方を示しており、泥地を好むヒシの異常繁茂もいまの湖の課題だ。

県は、水質保全に主眼を置いてきた施策に、生態系の保全・再生の視点を従来以上に組み入れて“諏訪湖創生”を目指す考え。シジミが育つ砂地の浅場造成や、沈水植物の再生を狙った覆砂事業を一部で始めている。田代幸雄所長は「日光が届く水深2・5メートルまでは植生帯になり得る。浅場造成に関わってくる所でもある」と説明。「湖底の現況を把握することで、解決の手法が見えてくる」としている。

水辺整備事業では親水性の高い人工なぎさを整備するなどしてきたが、ヒシの繁茂といった20年間での環境変化を加味してプランを見直すことにした。なぎさ整備の評価などを問う住民アンケートも近く行う方針だ。

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