DNA測定装置導入 諏訪湖環境研究センター

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諏訪湖環境研究センター(仮称)の開所に向けて工事が進む「あいとぴあ」。魚の分布状況を把握する環境DNA装置も導入される=岡谷市長地権現町

諏訪湖畔にある県男女共同参画センター「あいとぴあ」(岡谷市)の建物を改修し、県が4月に開所する「諏訪湖環境研究センター」(仮称)の調査研究部門に、環境DNA測定装置が導入される。湖水に溶け込んだ魚類の環境DNAから、その区域にどんな魚種がどの程度の密度で生息するかを把握する装置。分布状況や生息密度から魚種ごとの生息や産卵の適地を導き出し、環境改善施策に役立てていく考えだ。

諏訪湖を中心に、県内の湖沼や河川の水環境保全を目的とした施設。水質に加えて生態系の調査に注力することを柱に掲げており、環境DNA測定装置導入もその一環。県環境保全研究所(長野市)が保有する既存の機器類の一部もセンターに配備する。

諏訪湖の漁獲量は減少傾向にあり、2016年のワカサギ大量死以降は採卵不振も続いている。県水大気環境課によると、魚類の環境DNAはふんや死骸などが溶け込んだ湖水を回収して抽出。春先の産卵期に採水し、分布状況をみることで産卵に適した環境も探れると期待する。外来魚の駆除を集中的に行うべき区域の検討にも役立つ可能性があるとし、「魚がすみやすい環境づくりや生物多様性の保全、餌を減らさないような水質コントロールなどに役立てたい」としている。

センターについて、県は当初2023年度の開所を目指すとしたが、分析機器を設置する2、3階部分の床の補強や建物の環境性能の向上が必要と判断し、開所を延期して必要な工事を進めてきた。同課によると、工事は1月中に完了する予定で、機器・薬品類の搬入や展示スペースの準備、組織改正などを経て、4月1日に開所できる見通しになっているという。

水環境保全に関する調査研究を一体的に行い、信州大学諏訪臨湖実験所(諏訪市)や公立諏訪東京理科大学(茅野市)、市町村、住民グループとの連携を強化。湖の総合計画「諏訪湖創生ビジョン」の実現に向けた事業を担い、情報発信や環境学習の拠点として学びの場の提供やサイエンスカフェの開催、水環境に関する展示も行う。

センター長には、国立環境研究所生物多様性領域客員研究員の髙村典子氏が内定している。建物は4階建て(一部2階建て)で、男女共同参画センターとの共用部分を含め延べ床面積は約3300平方メートル。屋上に約160枚の太陽光パネルを設置し、使用電力の一部を賄う。

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