2024年1月3日付

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新型コロナウイルスが感染法上の5類に移行して初めて迎える正月となり、古里は帰省客や初詣の人々で例年以上のにぎわいを見せた。久しぶりに子どもや孫と新年を迎えた方も多いことだろう▼諏訪市ゆかりの歌手さだまさしさんは、1997年のステージトークでこんな逸話を紹介した。「赤ちゃんが『おぎゃあ』と生まれた瞬間、最初に吸い込んだ空気が肺の隅々に少しだけ残り、一生入れ替わらない」(噺歌集第8集)。深夜放送のラジオ番組でリスナーから教えてもらったという▼ここまで書き進めた元日の夕方、石川県能登地方で最大震度7の地震が起きた。諏訪市と茅野市でも震度4の揺れを観測した。テレビ画面は緊急地震速報と大津波警報の文字に変わり、アナウンサーが命を守る行動を強い口調で訴えている。のんびりした正月気分は一瞬で消え去り、呼吸が浅く、速くなった▼初夢を見る余裕もなっただろう。翌朝、暗闇と寒さの中で不安な夜を過ごした人たちの姿が映し出され、大地震がもたらした惨状と混乱が明らかになってきた▼さださんは古里についてこうも語っている。どこで生まれても、古里は自分の中にあり続けるものだと。大地が激しく振動し、家や道路が崩れ落ちたとしても、生まれた場所との結び付きは強く、誰にも断ち切ることはできない。近県で暮らす人たちの無事と古里の一日も早い復旧を祈るばかりだ。

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