2024年1月7日付

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「昭和から抜け出そう」。新年を迎えてそこかしこで言われるこの言葉に、ますます社会から取り残されたポンコツの気分になっている。もしや「ポンコツ」という昭和の言葉も若者は知らないかも▼モノも人も、世界を舞台に競争が加速する時代にあって日本経済は足踏み状態、物価高が事業活動にも暮らしにも重くのしかかっている。先細りへの不安と閉塞の苦しさが叫ばせるのだろう。取り残されることへの焦りは昭和世代の個人の感覚だけではないようだ▼「これまでと同じに」という惰性を捨て、今の希望や需要に応じる機敏さと柔軟性、創意工夫が必要なことは今もかつても変わらない。その点ではむしろ、戦争の焼け野原からわずか十数年で前例のない発展をさせた時代の人の気概を見習うべきなのではとも思う▼日本が今、海外で高い評価を得ているのは最新と最古の文化。自然に添い、手間はかかるが丁寧な暮らし方に価値を見いだす若者も少なくない。国民の半数が50歳超の社会。昭和世代の声の中には新しい事業のチャンスも多くあるだろう。若者との協力が道を開く▼「簡単・お手軽」とうたう調理法で豆を煮たら歯が立たず、結局、昔ながらのじっくりコトコトが最善…ということもある。過去にならうか、新しい調理法を考えるか、それとも豆の性質を変えてしまおうか-。頭の固い世代に求められるのはこんな柔らかさかも。

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