「シモスワシードル」3年目 自然発酵に挑戦

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下諏訪産のリンゴやマルメロを使ったシードル造りに取り組んだ岩井さんら=東御市の醸造所「ツイヂラボ」(岩井さん撮影)

下諏訪町湯田町でワインショップ「湯田坂 岩井堂酒店」を営むソムリエの岩井穂純さん(45)は、今季も町内産のリンゴやマルメロを使ったシードル「シモスワシードル」造りに取り組んでいる。今年で3年目。今回は初めて、醸造作業の段階から岩井さんが関わり、人の手を極力加えず自然の力で造られる「ナチュラルワイン」の造り方にこだわった。天然酵母による自然発酵を進めており、年明けにも瓶詰めし、2次発酵を経て春の発売を予定する。

リンゴとマルメロは町内のりんご農家「松沢農園」から今季も仕入れた。同園は2021年、夏の長雨などで大量のリンゴが規格外となり困っていた。知人を通してつながった岩井さんが、同園の「ふじ」とマルメロの香りを組み合わせたシードル造りを提案し、連携が実現。22年は新たに紅玉のシードルも加えた。今季も紅玉は10月中旬、200キロを伊那市の醸造所「伊那ワイン工房」に持ち込み、醸造が進む。

一方、ふじとマルメロの組み合わせでは、初めて東御市の醸造所「ツイヂラボ」に醸造を依頼し、11月下旬、ふじ300キロとマルメロ6キロを同醸造所に持ち込んだ。これまでは醸造作業を醸造所に任せてきたが、今回はリンゴの果汁をしぼり、タンクに詰めるまでの作業から岩井さんと知人ら7人が関わった。一部は素焼きの壺に漬け込み、ワインの「原始的な」造り方にも挑戦した。

岩井さんは添加物など人的介入をできるだけ減らした「ナチュラルワイン」の普及を目指している。この考え方で今回のシードル造りに取り組み、「自然発酵による複雑な味が現れたら」と期待。「楽しい気持ちで作ったのでそうした〝思い〟も味に伝播したら。今季も下諏訪の風景が感じられるシードルに仕上がれば」と話した。

松沢農園の松澤邦江さん(64)は規格外のリンゴを生かす岩井さんとの連携に感謝し、「毎年、シードルを楽しみにする人が増えてきた。私たち農家もうれしい」と、取り組みの広がりに期待している。

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