南箕輪の宝広く発信 神子柴遺跡のパンフ作成

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南箕輪村教育委員会が作成した神子柴遺跡を紹介するパンフレット

日本一美しい石器と称され、国の重要文化財に指定されている南箕輪村神子柴遺跡出土の石器群。新たな調査も行われる中で村教育委員会は、石器や遺跡を紹介するパンフレットを作成した。監修した明治大学黒耀石研究センター(小県郡長和町)客員研究員の堤隆さんを招いた講演会も昨年11月に開催。出土から65年の節目を経て、改めて〝村の宝〟として発信していく。

神子柴区や神子柴の文化歴史を考える会と協力して開いた講演会には約100人が参加。地元の熱気の中で神子柴遺跡研究の第一人者である堤さんは「神子柴は日本の考古学の中でも大きな存在」と語り、この遺跡がどのような機能を持っていたかや成立年代などで論争があり、今なお謎多き遺跡であることを説明した。

神子柴系の石器は北海道から九州まで全国225カ所で確認されたとする一方で、「本家の神子柴遺跡以上の出来のものは出土していない」とも。「かつてはシベリアからの渡来石器と考えられていたが、近年は南箕輪村周辺を中心に発明された石器ではないかという説が多くなっている」と続けた。

レプリカの石器を見ながら堤隆さん(右)の解説を聞き、神子柴遺跡に思いをはせた講演会=昨年11月

熱心に耳を傾けていた同村南部小学校5年の児童は「神子柴遺跡は歴史があり、身近な所からこんなにすごい石器が出てきたなんて考えるとうれしくなる。昔の人の暮らしに関心が持てた」と目を輝かせた。

パンフレットはA4変型判四つ折りで1000部作製。村教委は堤さんの講演会で初めて披露し参加者に配った。今後も希望者には村図書館や村民センターなどで無料配布するほか、学校の教材としても活用していく考え。村史跡の指定にも前向きで「地域の魅力として広くPRしていければ」と話す。

神子柴遺跡は、地元の小学生が畑で出土した黒曜石を学校に届けたことで確認され、1958年から59年にかけて発掘調査が行われた。ごく狭い範囲から円を描くように局部磨製石斧(せきふ)や尖頭器など計87点の石器が見つかり、国の重要文化財になった。石器は伊那市創造館で常設展示され、村郷土館ではレプリカを見ることができる。

村郷土館は第1木曜日に定期開館するほか、予約にも応じる。パンフレットを含めた問い合わせは村教委(電話0265・76・7007)へ。

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