「西駒山荘石室」登録有形文化財に 文化審答申

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文化庁の文化審議会(宮田亮平会長)は11日、伊那市が所有する中央アルプス・将棊頭(しょうぎがしら)山(標高2730メートル)頂上直下の山小屋「西駒山荘石室」を登録有形文化財(建造物)に登録するよう、文部科学大臣に答申した。近く答申通り告示される見通し。建設後100年を経過した現在も構造を変えることなく、登山の安全の拠点として使用されている点が評価された。

石室は厚さ30センチの花崗岩を6段積んで外壁とし、上部は木造の小屋組み。生徒ら11人が命を落とした1913(大正2)年の中箕輪尋常高等小学校の集団遭難を受け、救助に当たったふもとの住民らが周辺の岩石を加工し、15(同4)年に完成させた。集団遭難は新田次郎の小説「聖職の碑(いしぶみ)」のモデルにもなった。

2014年の建て替えの際は、「歴史的価値が高い」として石室を建設時に近い状態で再整備。隣に新たに整備した宿泊棟と合わせ登山者の休憩場として活用するほか、資料展示などで集団遭難の歴史を伝えている。

白鳥孝市長は「100年前の建物を単に保存するだけでなく、当時の遭難事故を伝えるシンボルとして使い続けている意義を認めてもらったと思う。事故の教訓とともに、再発防止のため寄付を集め、短期間で石室を完成させた地元の人たちの苦労や思いを発信していきたい」と話した。

同審議会は石室のほか、県内では北佐久郡軽井沢町の「山崎家及び臼井家別荘(セキスイハウスA型)」の計2件、全国で199件を答申した。県内の登録有形文化財は今回を含め172カ所494件となり、伊那市内では2002年に登録された高遠閣に続き2件目。

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