2024年1月16日付

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地元の自主防災会で避難所運営ゲーム「HUG(ハグ)」を体験した。公民館を避難所に見立てて避難者を受け入れ、さまざまな出来事にどうやって対応していくかを、防災会の役員みんなで考えた▼5、6人のグループに分かれ、1人がカードを読み上げる。高齢者や障がい者、乳幼児、けがをした人などさまざまな事情を抱えた避難者が次々と訪れる。公民館の平面図をテーブルに広げ、館内の部屋に避難者を割り当てていく。炊き出しや仮設トイレの場所、マスコミ対応も課題に挙がった▼災害時に避難者は待ってくれない。受け入れ側には悠長に話し合っている時間がない。建物の間取りにも限りがあるし、全員が満足する環境を提供できない切迫した状況の中で、最適な判断を導き出す難しさを味わった▼1995年1月17日の阪神・淡路大震災、2011年3月11日の東日本大震災、そして今年1月1日の能登半島地震。広い範囲で被害が同時多発する災害を経験するたびに、国や県、市町村の対応に限界があることを思い知らされる。個人や地域が孤立し、長期化する避難生活で亡くなる人は後を絶たない▼静岡県が開発したHUGには「避難者を優しく受け入れる」という意味もあるそうだ。災害時は普段以上の活動はできない。日ごろの隣近所の付き合いが大切だ。この国は国民の暮らしに寄り添い、支えてきたのか。被災地の叫びが聞こえてくる。

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