信州風樹文庫が開設70年 記念事業を準備

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開設から70周年を迎える諏訪市の信州風樹文庫

開設から70周年を迎える諏訪市の信州風樹文庫

諏訪市中洲の信州風樹文庫が今年、開設70年を迎える。同市中金子出身の岩波茂雄(1881~1946年)が創業した東京の岩波書店の1947年以降の全図書を全て所蔵する国内唯一の図書館。同年5月に同書店から201冊の寄贈を受けて以来、現在も出版図書が毎月送られている。同市や関係団体は節目の年に向け記念事業を準備。同市教育委員会生涯学習課の後藤慎二課長は「風樹文庫は諏訪市にとって知の拠点。後世に伝え、次につないでいくために、改めて大切な年になる」と話す。

戦後の混乱期、当時の中洲村の青年たちの「良書を読み、農村文化向上や国の再建に資したい」という熱意に同書店が応え、東京から青年3人が本をリュックに詰め、持ち帰ったことが始まり。名称の由来は茂雄の座右の銘「風樹の嘆(たん)」。中国の故事で、親孝行をしたくても亡くなっていて孝行ができないと嘆く意味で、茂雄も青年期までに両親を亡くし、学術支援をして嘆きを慰めていたという。

持ち帰った図書は、中洲小学校応接室の書棚に並べられ、3年後に同校敷地内に独立した書庫が新築。93年に旧村役場跡の現地に移転新築した。現在、開架の書籍などの蔵書数は約4万6000冊。うち岩波書店分は3万4000冊に上る。

当時、文庫開設とともに、全村的に各種団体で構成した運営委員会が結成。55年の諏訪市と合併後は市教委が委員を任命している。委員は10人。毎月会合を開き、4月に茂雄の法事や勉強会などを行う。

運営委員会では、節目の年に向け、昨年から茂雄についての紙芝居の制作を進めており、「岩波茂雄さんのことを全市に分かってもらうことが務め」と後町廣志委員長(78)=下金子=は話す。長年の寄贈に感謝し「戦前戦後を通じ、岩波文化の重みある貴重な本であることを分かってほしい」と願っている。

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