暖冬の御神渡り 「大寒」に一縷の望み

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御神渡りの記録やアルバムをひも解き、6季ぶりの御神渡り出現に思いを巡らす宮坂清宮司

20日~2月3日は二十四節気の一つで、一年で最も寒い時期「大寒」。諏訪市小和田の八剱神社が行う諏訪湖の観察では、御神渡り(御渡り)出現に向け、氏子総代らが今後の冷え込みに一縷の望みを託す。観察総代の伊藤勝規さんは「凍った湖の上に乗って、斧を振るうのが観察の醍醐味だ」と全面結氷を待ちわびている。

今季は気温上昇や強風などの影響もあり、昨年同様、大寒を迎えるまで全面結氷が一度も発生せず、氷斧(こおりよき)の使用もまばら。

暖冬を背景に、一部では6季連続の「明けの海」が予想される中でも、諏訪湖を眺める宮坂清宮司の表情は晴れやかだ。1月30日に初の全面結氷を確認し、4日後に御神渡りが出現した2012年の例もあることから「まだまだ可能性はある。冷え込む予報が出るとわくわくして朝早く目が覚めてしまう」と前向きな姿勢を見せる。

同神社は、定点観測場所となる舟渡川河口左岸(同市豊田)で諏訪湖の御神渡り観察を今月6日から毎朝続けている。氷点下10度の日が3日以上続くと諏訪湖は全面結氷し、ひび割れた氷が朝夕の寒暖差により膨張と収縮を繰り返すと、その跡が高くせり上がり、御神渡りが出現する。

湖面に初めて薄氷が確認されたのは放射冷却が強まった9日。楕円形の氷が沖へと流れる「セミの羽」と呼ばれる現象も見られ、期待が高まった。

しかし、寒さは続かず、翌日に氷は霧散。「今年が最後の任期。令和初となる拝観式を行ってみたいものだ」と大久保一大総代。横殴りの湿った雪が吹き荒れる中、「寒い寒い」と身を縮ませながら観測をした日もあり、降雪による水温の低下も期待されたが、結氷には至らず。温度計が氷点下10度以下を示すことは観察中一度もなかった。

湖面に薄く透明な「一夜氷」が張っても、日中の気温上昇によって解けてしまう今季の諏訪湖。宮坂宮司はアララギ派歌人・島木赤彦の「朝な朝な 湖(うみ)べにむすぶ 薄氷 昼間はとけて 日和つづくも」という歌を引用して、もどかしさをあらわにしていた。

19日午前6時半の観測は気温3・5度、水温4・5度を記録。湖面に氷は張らず、湖岸に打ち付けた波しぶきが木の枝に着氷する「しぶき氷」も姿を消していたことから「振り出しに戻ったな」といった声も上がっていた。

長野地方気象台によると、22日から23日にかけ、低気圧が発達しながら北日本付近を通過。その後、25日ごろにかけて冬型の気圧配置が強まり、強い寒気が流れ込む見込み。

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