2024年1月21日付

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「TKB」。それぞれ英語の頭文字を取り、トイレ(衛生)、キッチン(食事)、ベッド(睡眠)を表す。寒い時季ならこれに「W」(暖房)が加わる。どれも健康的な日常生活に欠かせない▼過去の災害で地震の揺れなどの直接的な被害ではなく、避難後に持病が悪化したり、体調を崩したりして亡くなる災害関連死が相次いだ。こうした悲劇を防ごうと、避難所の環境改善のキーワードとして避難所・避難生活学会が提唱している▼暗く汚いトイレに行きたくないから水分を取らない、おにぎりやパンなど炭水化物中心のメニューで栄養が偏る、電気やガスが使えず冷たい食事が続いて食欲が湧かない―。それで体調を崩してしまう。また、硬く冷たい床での睡眠は寝不足ばかりでなく、エコノミークラス症候群や低体温症を引き起こしやすい▼長野県では「避難所TKB環境向上プロジェクト」として県と市町村の実務担当者による検討会を立ち上げ、2021年1月に中間報告書をまとめている。この中では▽仮設トイレ快適環境の推進▽キッチンカーで温かい食事を提供する仕組みづくり▽避難所・孤立集落における多角的な電源確保対策―などを提言している▼大きな災害が起きるたびに自然の脅威と個人レベルで何ができるのかという無力感に苛まれる。災害を防ぐことはできない。一つ一つ教訓を生かし、少しでも被害を減らしていくしかない。

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