タクシーで処方薬配送 茅野市で実証実験開始

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医薬品に見立てた箱を体験者に届けるタクシードライバー(左)

総合コンサルティング大手のアクセンチュア(東京都)が内閣府の委託を受け、国からデジタル田園健康特区の指定を受けた茅野市で実施する貨客混載制度を利用したタクシーによる処方薬配送サービスの実証実験が始まった。市、市内のタクシー会社3社、薬局6店が協力。26日まで行い、市民ニーズや社会実装に向けた課題などを探る。

中山間地域で運転免許証を返納するなどして遠距離の移動が困難となった住民らに対し、乗客と荷物の輸送、運行を一緒に行う貨客混載制度を利用して薬を配送する仕組み。病院またはオンラインで診察を受けた患者がオンラインで服薬指導を受け、スマートフォンで薬の配送希望を出すと、タクシー運転手が薬局で薬を受け取り、配送希望者の自宅や職場に届ける。移動困難者が診察後に薬局に行ったり、服薬指導と購入の順番を待ったりする負担が削減される。

服薬指導は現在、対面またはリアルタイムのビデオ通話で行わなければならないという規制があるが、映像を伴わない電話による通話での服薬指導を可能にするよう特区を活用する。現状では処方箋の原本以外による処方は禁止されている。

実験では、病院から疑似処方箋を受けた薬局が体験者にオンラインまたは電話で服薬指導を行い、薬に見立てた箱を配送する一連の流れを検証する。18日は薬局で箱を受け取ったタクシー運転手が事前にビデオ通話で服薬指導を受けた体験者宅に届け、写真付きの身分証を確認した上で箱を手渡した。アクセンチュアの社員がニーズの聞き取り調査を行った。

自宅への配送を体験した同市宮川の男性(65)は「便利なサービス」としながらも「将来的には使うかもしれないが、自動車が運転できるうちは利用しなくでも大丈夫かな」と語った。

実験に参加したタクシー運転手の男性(25)は「昼間は比較的配車しやすいので新たな収益になり得るが、夜間は乗車客が多いので対応は難しい」と話した。薬代に上乗せされる配送料金も課題となった。

同社テクノロジーコンサルティング本部公共サービス・医療健康グループの長﨑洋シニアマネジャーは「ニーズはありそうだが、配送料金など課題も感じた。今後も検証と実証実験を重ねながら、社会実装の可能性を探りたい」としている。

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