95年の歴史に幕 高木温泉が閉所

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1921(大正10)年に開場以来、長年にわたり区民に親しまれてきた下諏訪町高木の共同浴場「高木温泉」で4日、閉所式が行われ、95年の歴史の幕を下ろした。区役員らが見守る中、温泉タンクや浴槽の湯が抜かれ、諏訪湖畔にある源湯のポンプの電源を切断。ポンプ小屋の脇にある「御湯神様」に感謝をささげた。

閉所した高木温泉の看板を背に記念撮影する関係者

閉所した高木温泉の看板を背に記念撮影する関係者

閉所式では、大和正一副区長が思い出話を交えながら「長い間ありがとうございました」と温泉に感謝を込めてあいさつ。藤原均前区長は、「時代と共に変化があるかもしれない。また再開できればと願う」と述べた。続いて、長年浴場の清掃を続けた地元の「聡明の会」代表の久保田美千子さんに感謝状を贈りねぎらった。

式典に続いて、昨年の同区温泉委員長を務めた松浦公憲さんが温泉タンクと男女浴槽の湯を抜くと、温泉入口にある排湯管から勢いよく温泉が流出。見守っていた人たちは流れ落ちる温泉に手を付けて名残を惜しんだ。さらに、同温泉から国道20号を挟んだ諏訪湖畔にある高木第二源湯で揚湯ポンプの電源を止め、バルブを閉めた。ポンプ小屋の脇にある御湯神様前で神事を行い、閉所を報告。「自然の恵みである温泉を長い間ありがとうございました」と感謝して締めくくった。

下諏訪町誌や地元の人の話によると、高木では江戸時代から湖畔の微温水に着目した人々が温泉の活用を試み、明治以降も区や有志が再三試掘したが成功しなかった。1921年に区の有志5人が湖中で温泉掘削に成功し、権利を区へ譲渡。同年12月に共同浴場の上棟式が行われたという。後に別の源湯が見つかり国道東側の現在地に移った。

閉所は当初昨年末だったが、帰省した人が利用できるよう正月三が日まで開場。松浦さんらによると、三が日は多い時で20人ほどの利用があったという。閉所式には掘削に成功、権利を譲渡した5人の子孫も参列。このうちの一人で故長崎角治さんの子の昭治さん(89)は、「さみしい部分もあるが、これからも高木区民の心を一つにしてほしい」と話していた。

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