2024年1月26日付

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旅と酒、自然を愛した歌人の若山牧水(1885~1928年)は佐久地方をしばしば訪れた。鯉こくにあらひにあきて焼かせたる鯉の味噌焼うまかりにけり--。鯉料理にまつわる歌を多く残している▼鯉こく、鯉のあらいとともに登場するみそ漬け焼きはかつて、諏訪湖周の漁師の家庭でも食されていた。湖や河川で捕った鯉の切り身をみそだれに漬け、香ばしく焼き上げる。諏訪湖漁協組合長の藤森惠吉さんは「鯉と言えば刺し身か、みそ焼きだった」と話す。川魚店にも並んだ郷土料理である▼漁協と川魚組合が復活を目指している。身が締まり脂の乗った諏訪湖の寒ゴイと特産のみそを使う。丸六本山川魚店(下諏訪町)の本山公之さんが調理、加工。試食会で好評を得て30日正午から試験的に販売する▼記者たちにも振る舞った。桜色が美しく、みその風味がきいて「うまかりにけり」。小骨が多い鯉だが、大型になると骨も大きくなるから食べやすい。「地の物には地の物(諏訪産のみそ)が合う」と本山さん。諏訪の地酒がやはり欲しくなる▼捨てる所はないとされる鯉。鱗は唐揚げなどにもなるが、本山さんは「寿命が長い魚。鱗で長寿のお守りを作れたら。作れる人いないかなぁ?」。立身出世の象徴でもある。コイだけに恋愛成就や良縁のお守りにもなりそうだと思った。地の技術と手仕事ですてきなお守りが生まれることを期待したい。

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