諏訪湖の再生手法検討事業 試験区のシジミ「太った」

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シジミの復活を目指す諏訪湖の再生手法検討事業(実証実験)で、県は11日、遠浅の砂地を造成した湖内に試験放流したシジミが、近くの泥地に放した個体に比べ「良く太った」とする調査結果を明らかにした。おおむね月1回の頻度で調べた生存率に明確な差は見られなかったが、毎回80%以上が生き残り「人工的な砂地化が、生息環境の改善に一定の効果をもたらすと分かった」としている。

事業では、流入河川の河口部で採った砂を敷いて諏訪市渋崎の湖内に2500平方メートルの放流試験区を造成。区画内の砂地と区画外の泥地に、40個のヤマトシジミを入れたかごを六つずつ沈めた。昨年7~12月の間、毎月かごを一つずつ出して生存率と体長・体重を調べた。

県によると、最終12月調査時点の平均体重は試験区内で3.29グラムに達し、3グラム前後だった泥地を上回ったほか、同市豊田沖にある自然の砂地に試験放流した個体よりも重かった。体重は底質中の硫化物濃度との関連性があり「砂を敷いたことでその濃度が低下し、体重増加に寄与したと考えられる」という。

差異が見られなかった生存率に関しては、水中酸素濃度の計測データを基に「昨夏は天候不順により、例年に比べて貧酸素が発達しなかったことも要因と考えられる」と推察している。

諏訪市内で開いた関係団体との諏訪湖環境改善行動会議で報告した。

県は来年度、試験区を4倍の1万平方メートルにする方針をすでに固めている。増設部分について、水大気環境課は「砂質や形状を変えて試験をしたい」と説明。今回はコイなどによる食害を防ぐため、かごに入れたが、直播きしたシジミでも生存率調査をする考えを示した。

会議では他に、今年度の水草ヒシの除去量は、刈り取り船と人力作業で546トン(ぬれた状態)だったとの報告があった。ヒシの種子を湖底から取り除く繁殖抑制の試験に関し、県は「春と秋の種取りを比較した結果、春の方が採取個数が多く効率的だと思われる」とした。

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