2024年1月27日付

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「共有」を意味する英語の「シェア」に「する」が付いて「シェアする」と一般的に使われるようになったのはいつごろからだろうか。過去の弊紙を探してみると、「ワークシェアリング」が2009年1月に登場しているが「シェアする」は2年ほど後から現れ始める▼シェアされるものは車や自転車、住宅などさまざま。長野県は夏になると「クールシェア」、冬には「あったかシェア」を呼び掛け、公共施設や多くの人が集まる場所などで涼んだり温まったりしてほしいと呼び掛ける▼これらを総称して「シェアリングエコノミー」と、新しい概念のように扱われるが、日本には昔からシェアされてきたものがある。風呂だ。各家庭に風呂が当たり前に据え付けられるようになったのは昭和の経済成長期あたりからだろう▼先日の県公衆浴場入浴料金懇談会の席で、銭湯では「3歳の子がお兄ちゃんを見る、お父さんの年代を見る、おじいちゃんの年代を見る」ことから人の老い方を学び、脱衣所でのひいきのスポーツチームの話や今年の漬物の出来の話が聞こえてくる中から「地域のコミュニティーが生まれてくる」のだと銭湯の経営者が語った▼「いろんな考えのある人たちが同じ地域にいて空気を吸っている共有感」がなくなりつつある|との言葉もあった。確かに、裸で同じ風呂に漬かりながら同じ湯気をシェアするのは他では得られない体験だ。

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