2024年1月30日付

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雨音と風の音がいつもより大きく聞こえた。石川県輪島市で取材と出稿を終え、寝袋にくるまると、音らしい音は雨風の音のみ。心細かった。車で夜を明かす準備をし、被災地に入ったが、車体に打ち付ける雨風の音がこんなにも大きく感じるとは▼エコノミークラス症候群の予防のため、足を伸ばして寝られるように座席を倒して横になった。自己完結型が基本の被災地取材。現地での給油はできないものと考え、ガソリンの節約は常に頭にあった。車のエンジンを切る。車内の温度がどんどん下がっていくのを肌で感じた▼困ったのはトイレ。十分な量の携帯トイレを持ち込んではいたが、使用する場所がなかなか決められなかった。上下水道管が破損し、水は使えず便器は使用禁止。雨風をしのぐため、公園内の公衆トイレの場所を借りて携帯トイレを使用した。明かりは街灯のみ。できるだけ我慢しよう。そう思うと、食事も水分の摂取量も無意識に減った▼道路が寸断されて孤立し、準備もなく車中泊を余儀なくされた被災者を思う。いつ救出されるとも分からぬまま時間が過ぎ、再び迎える夜。発災当時は停電していた。その不安の大きさの一端を身をもって体験した▼石川県は、避難所以外で暮らす被災者の支援のため設けた窓口に避難先を「車中泊」とした回答が93件あったと発表した。体と心への負担が大きい車中泊。積極的な見守りと支援を。

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