「お供え」を困窮者に 茅野の検校庵

LINEで送る
Pocket

生活支援の社会貢献になるお供え「えこうセット」で思いを広める藤田副住職

茅野市本町西の曹洞宗寺院・検校庵(鈴木恵道住職)は、法事や参拝で仏様へささげた供物の「お下がり」を、地元の社会福祉協議会に寄付して生活支援が必要な人たちに届けたり、庵に保存して災害時への備蓄にしたりする慈善活動「ソナエルプロジェクト」を今年から本格的に始めた。功徳を他者に回し向ける「回向」の善行を地域に巡らせて、困っている人を支える一助になれば-という。米穀店の協力で白米とレトルト食品、非常食の専用お供えセットを用意して、檀信徒から理解と協力の輪を広げている。

曹洞宗が進める取り組みに率先し、昨夏から試行をしてきた。遺族らがお供えの用意を同庵に依頼すると、店舗が遺族の元か庵に品物を配達。法事の後、社協へ届けるのは藤田清隆副住職が”修行”として担う。

藤田副住職は福島県出身。東日本大震災で被災し、仮設住宅で炊き出しや傾聴ボランティアにいそしんだ体験などから「すぐそばにいる人たちが互いに声を掛け、支え合うことの大切さを痛感した」という。同時に「お寺は葬儀、法事だけの場ではなく、世の中の人が支え合う仕組みの核や災害避難所になれる」との使命も感じた。

生活支援につながるお供え「えこうセット」は、困窮する人たちの要望で白米と缶詰やレトルト食品を集め、3000円と5000円の2種類ある。防災備蓄となる非常食のお供えセットは企業や団体、個人からの寄付で同庵が買い備える。

既に法事での利用や市内企業から寄付の申し出があるという。藤田副住職は「プロジェクトはこの世界全てのものを救済する菩薩行の実践。供える意味を改めて考え、仏様のお下がりをいただくありがたさ、功徳を分かち合う喜びを実感してもらう機会になれば」と話している。

おすすめ情報

PAGE TOP