諏訪湖の御神渡り 6季連続「明けの海」

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最終日の観察を終え、今季の記録を振り返る宮坂宮司と氏子総代たち

諏訪湖の御神渡り(御渡り)観察を1月6日から続けてきた八剱神社(諏訪市小和田)は立春の4日、今季の御神渡り出現は厳しいとして、御神渡りができない「明けの海」になるとの見解を示した。暖冬の影響などとみられ、「明けの海」となるのは6季連続。30日間の観察期間中、一度も全面結氷しなかったのは2019年以来5季ぶりとなる。

宮坂宮司(73)は、小雪の散る中、毎朝訪れた舟渡川河口左岸(同市豊田)に視線を落とし、「枯草の中に新緑が芽生え始めている」と暦通りの春の訪れを実感。その上で、「582年の歴史の中では今回の観察も一つの通過点。御神渡りを見られないのは残念だが、湖上御神渡注進録に記録をしたためて、後世に継承することこそが重要だ」と強調した。

長野地方気象台によると、1月の諏訪の月平均気温は0.6度。1945年の観測開始以降、5番目の暖かさとなった。暖冬の背景としては、地球温暖化やエルニーニョ現象のほか、日本付近で偏西風が北に蛇行して、寒気の影響を受けにくい状況が挙げられるという。1年で最も冷え込むとされる「大寒」を含む1月19~23日の5日間の気温が氷点下を下回らず、氏子総代らも「異例なことだ」と驚くシーズンとなった。

日没後の気温低下により湖面には薄く透明な「一夜氷」が張ったものの、波を受けて割れ、翌日の日差しで解ける様子がたびたび確認された今季。宮坂宮司はここまでの観察を振り返って「氷割る 斧の音こそ誇りなり 寒のあしたに 波をみるとは」と心境を詠んだ。

大久保一大総代(73)=同市杉菜池=は「俺は晴れ男で、ここ3年間はどの神事もほぼ快晴だった。湖の結氷にはそれが良くなかったかもしれないな」と笑わせつつ、「近い将来、拝観式は必ずできると思う。その時はぜひ参加したい」と次代に希望を託した。

観察の区切りに合わせ、連日温かいコーヒーを差し入れて観察を応援していた小松香緒里さん(60)=辰野町=への花束の贈呈も行われ、「今年もありがとう」「毎朝の一杯が楽しみだった」と感謝の言葉が寄せられた。

今後は、同市渋崎に住む観察総代の2人が、結氷の有無を確認。17日に同神社で執り行う「注進奉告祭」で今季の結果を神前に告げる予定。

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